Enfuce、Visaと提携。わずか8週間でフィンテック向けカード発行を実現
「Enfuse」は「Visa」との提携により、ヨーロッパのフィンテック企業を対象に、たった8週間でコスト効率高くペイメントカードを発行可能なプログラムを開始する。
これによりフィンテック企業は、立ち上げから認証の取得、そして決済ブランド・スキームにより義務付けられている処理のために専門家を雇用することなく、物理的および仮想的なペイメントカードを顧客に提供することが可能になる。
「Enfuce」の共同設立者であるDenise Johansson氏は、「認可を受けていないフィンテック企業に対しても、わずか8週間でカード発行を可能にしたことは画期的です。これによりフィンテック企業は、よりシームレスで、楽しく、楽で、そして何よりも安全なカスタマーエクスペリエンスをスケーラブルに提供できるようになります」と述べている。
物理的か仮想的であるかを問わず、最新のペイメントカードは商取引やビジネス、そして、決済をまったく新しいものにした。独自のペイメントカードサービスを導入したフィンテック企業は、顧客の決済を収益化し、サービスを拡大し、ブランドを差別化することができるのだ。
「Enfuce」は、フィンテック企業が「Apple Pay」や「Google Pay」、「Samsung Pay」などの最新のデジタル決済機能をサポートする、自由なカスタマイズを実現するような柔軟なペイメントカードをデザインし、発売する。「Enfuce」の高性能でスケーラブルな決済処理プラットフォーム上に構築されたこのサービスにより、フィンテック企業は新しい地理的市場への参入や新機能の迅速な立ち上げが可能となる。
「Enfuce」の新サービスは、BINスポンサーシップやカードスキームの統合、また、不正防止やチャージバック（ディスピュート）管理などの重要な要素を備えたフルターンキーのカード発行サービスだ。
「Enfuce」を利用することで、フィンテック企業はわずか数週間でカード発行会社となり、顧客がカードを申し込んだら即座に支払いを開始できるようになる。これは通常、数ヶ月を要し、様々なサービスプロバイダーとの提携を必要とする従来のカード発行過程と比較しても、市場投入までのスピードを一層向上させるものだ。
「Enfuse」は「Visa」との提携によりこのプログラムを立ち上げた。このプログラムは、フィンテックにおける独自のペイメントカードの、迅速かつスケーラブルな形での提供をサポートするという共通の野心により始まった。
このプログラムにて、「Visa」はトークン化された複数通貨のBIN（Bank Identification Number：銀行識別番号）を提供する。これにより、ヨーロッパ中の「Enfuce」の顧客は、法人および消費者の両者に対して、プリペイドカードやデビットカードを商品として開発、拡張することができるようになるのだ。
このサービスを通して、フィンテック企業は、自社でBINを取得する場合と比較して、早期に自社のペイメントカードを市場に投入することが可能になり、マーケットでの優位性を得られる。
「『Enfuce』を設立して以来、私たちは決済業界を変える方法を模索してきました。提携は成功の鍵であり、この素晴らしいサービスに『Visa』が参加してくれたことは、業界大手とスタートアップにおける素晴らしいパートナーシップの証です」とJohansson氏は述べている。
このプログラムは、「Enfuse」と「Visa」の緊密なパートナーシップの延長線上にあり、そのパートナーシップは、2020年11月に「Visa」が「Enfuse」をFintech Fast Trackプログラムの参加企業として選定したことから始まった。このプログラムにより「Enfuse」は「Visa」独自のパートナーネットワークに参加し、彼らのサポートを受けることで優れた決済体験を構築することができた。
「私たちは、フィンテックエコシステムへの強化されたサポートとスピードアップされた市場投入を提供できることにワクワクしています。『Enfuse』のような有効なパートナーとの提携により、フィンテックが『Visa』ネットワーク上で効果的にプロダクトを構築し、ローンチすることが可能になり、記録的な速さでビジネスの成長や拡大をサポートすることができます」と「Visa」のFintechs Nordics & Baltics部門責任者のHelene Podsadni Nilsson氏は述べている。
表題画像：Photo by Jonas Leupe on Unsplash (改変して使用)