Contxto - 中南米地域における垂直農業のパイオニアであるAgroUrbanaが100万ドルを調達したと発表した。この資金は食品サプライチェーンにおける事業開発や流通、技術開発等の強化に使われる予定である。
本資金調達はCLINファンドが主導した一方で、その背後には政府系スタートアップブースターであるチリのCorfo、Engie Factory、Entel、Zoma Capital、Fundación Chileなどが含まれる。
同ファンドは投資額の33%を出資し、残りはエンジェル投資家や個人事業主が出資している。
垂直農業とは、農家が、屋内の少ないスペースで作物を栽培できるようにする栽培形態のことを指し、AgroUrbanaが得意とする技術領域である。伝統的な農業が利用する土地のわずか1%で同規模の農産物を栽培することができるという。
また、従来の農業と比較して、水を95%も節約することが可能である。
農場を屋内や都市部に移す必要性については議論が繰り返されているものの、地球環境をこれ以上破壊せずに、人類の飽くなき食への欲求を満たそうものならば、他に手段はないといえる。
世界の表面の11%程度しか食物栽培に適していないにも関わらず、農業は地球表面の37%以上を使っているという。この余分な土地はどこから来ているのだろうか?
人類がこれまで行ってきた農業は確実に地球環境にダメージを与えており、特に中南米地域はその問題の最前線にいる。
ブラジルでは最近、アマゾンの熱帯雨林が農業や放牧のために焼かれたことが話題になっている。中南米諸国では今でもごくごく一般的に伐採と焼畑が行われていおり、同地域の生態系を破壊している。
ブラジルのドローン会社Bioverse Labsが、ドローンを使ってアマゾンの伐採者や焼却者の摘発を行う等、環境保護を推し進める動きは始まっている。
一方、根本的な課題解決にはAgroUrbanaが掲げている垂直農業のようなコンセプトが必要であろう。同社のビジョンはアマゾンのような土地から、消費地の近くにある大型で効率的な倉庫に農業を移すことである。
これは、Amazon社のJeff Bezos氏が都市隣接型の倉庫を保有している戦略と似ている。
AgroUrbanaの共同創設者であるPablo Bunster氏は次のように述べる。
「今後は少ない資源でより多くの食料を生産できるようにならねばならない。人口増加、都市化、干ばつにCO2排出など、問題は山積みである」。
これらは全て難しい課題であるものの、AgroUrbanaのような農業革命を起こしている企業への期待感は高まるばかりである。
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翻訳元:Million-dollar investment in AgroUrbana moving agriculture from rural areas to cities