Facebookの創設者であるマーク・ザッカーバーグは年に一度の投稿で、2020年代にはバーチャルリアリティ(VR)がテクノロジーとの関係を一変させるだろうと主張した。2000年代にはウェブが、2010年代にはモバイルアプリが世界を支配していたが、VRはこの10年で画期的なイノベーションを起こすだろう。
もしFacebookの最高責任者が言うことが本当であるとしたら、私たちは日常生活において、テクノロジーとその側面をどのように認識するかという全く新しい時代を目の当たりにするだろう。
とはいっても、VRはマーケッターにとって新しいものではない。「NIKE」が90秒のビデオで製品を宣伝した2015年には、すでにVR技術にふれていた。もう一つの注目すべき例はドバイにあり、「DONIS Architects」のFernando Donis氏がドバイの建築、経済、インフラを示すために新しい技術を使用した。彼らは文字通り観光客を過去へと誘い、ドバイの遺産を体験させている。
それゆえ、VRはマーケティング戦略の作り方を変える可能性を秘めている。それはマーケターに対して、より創造的に、より既成概念に囚われない発想をを促している。初期段階ではVRのセットアップにはストレスもかかるだろうが、適切な方法でそれを使用する場合は、より多くのリードを生成する可能性がある。
VRはまだ黎明期とはいえ、多くのブランドがこの技術を活用してユーザー層を拡大している。ここでは様々な事例から学べるアイディアを紹介しよう。
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良いスタートを切るためには、プロから学ぶ必要がある。「IKEA」と「Carnival cruise」は、顧客が商品を体感できるようにすることで、より多くの情報に基づいた意思決定ができるようにしている。
「IKEA」は顧客にバーチャルキッチンのリフォーム体験を提供している。まるで実際にその場に立っているかのように、キッチンにいるような感覚でキッチンを操作できる。また、キッチンの色やスタイルを変更して、リフォーム後のキッチンがどのような仕上がりになるかも確認できる。
同様に「Carnival cruise」は、顧客にクルーズのバーチャルツアーを提供し、カリブ海のバカンスに誘っている。顧客のニーズを満たすことによって、企業は顧客にとって適切なフックを作成し、ブランドのロイヤリティーを創造している。
ファンタジードラマシリーズの「ゲーム・オブ・スローンズ」(GOT)は、VRを導入して、ファンをゲーム上の舞台であるウェストロスの地に誘った。実際の設定を体験したGOTファンの興奮とアドレナリンレベル、そして絆が想像できるだろう。
この事例からは何を学べるだろうか?
バーチャル体験とは、顧客にバーチャルヘッドセットを装着してもらうだけのものではない。それは完全にその世界観に没入してもらえる体験であり、顧客がより良い購入の意思決定ができるようにも誘導できる。
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ニューヨーク大学(NYU)は、VR技術をリクルート活動にも利用している。学生たちはVRデバイスを与えられ、火星のバーチャルツアーが体験できるアプリをダウンロードするように求められることを知って、きっとみなさんも驚くだろう。画像の色やデザインはNASAが直接提供している。
NYUはVRを使用して、他の学校とは一線を画している。教師が様々な選択肢から最高のものを選択することを可能にし、学生はNYUでの学習を測定するのにも役立つ。
今後数年でVRは何倍にも成長するだろう。そしてより多くのブランドがVRをマーケティング戦略に取り入れ、自社製品のまるでリアルのようなバーチャル体験を提供するだろう。
アーリーアダプターになり、マーケティングや広告活動にVRを活用することで、業界のなかで次のビッグネームになれる。
翻訳元:https://e27.co/is-virtual-reality-the-next-big-marketing-channel-20200706/