パンデミックで生まれた、アフリカ政府のインターネット検閲の口実

現代社会において、人権の一つとして考慮されるべきデジタルライツ。誤報の拡散を制御するため、インターネット使用をコントロールすることには意味があるものの、政府主導のネット管理・検閲は人々の自由を奪い、またプライバシーを侵害する可能性も懸念される。
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インターネットによって与えられた大規模な自由は、独裁と支配の長い歴史を持つ大陸において、多くの政府にとって厄介なものであるようだ。彼らはインターネットの重要性を認識しており、その使用をコントロールするために強力な戦術を数多く採用してきた。

Paradigm Initiativeによる、アフリカにおけるデジタルライツに関する2019年の報告書によると、インターネットがいかにアフリカに発展をもたらしてきたかということと、政府がインターネットに対し、いかに強いコントロールと恐怖を煽る取り締まりを強いてきたかということの間には大きな乖離があるようだ。

「今日のアフリカでは、中国やロシアの情報統制のモデルを参考に、情報空間が合法的な争いの場として認識されている。陸、空、そして海が諍いの舞台として確立されているのと同じことだ」と報告書では述べられている。

2016年から2019年にかけて、アフリカのいくつかの国の政府は、政治的な理由でインターネットをシャットダウンした。スーダン、チャド、DRC、エチオピア、ベナン共和国などが2019年のその顕著な例として挙げられる。

これらの出来事に伴う損失がないわけではない。以前Techpointが報じたように、政府主導のインターネット停止による2019年の世界的な損失額は約80.5億ドルで、サハラ以南のアフリカだけで21.6億ドルの損失を計上している。

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シャットダウンが行われていない地域では、通常、インターネットの使用法のガイドとして、また誤情報の拡散を抑制するための法律が何らかの形で制定されている。(法律として成立したり、読会を通過したりしている。)

ベナン共和国では、2017年6月に国会で採択されたデジタル法が2018年4月に施行されたため、同国は、インターネット利用を指導する法律を採択したアフリカで最初の国となった。

今年初め、エチオピアもヘイトスピーチと誤報の拡散を抑制するために、ヘイトスピーチと誤報の防止と弾圧の宣言法案(現在は法律)を成立させた。

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ナイジェリアでは現在、ヘイトスピーチ法案とソーシャルメディア法案の2つの法案が国会で検討されているが、様々なシビル・ソサエティーからの強い反対を受けている。

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ソーシャルメディアやインターネットが誤情報の大規模な拡散を引き起こし、民主主義国家に悪影響を与えているとの主張もあるが、Techpointがサイバーセキュリティとデータ保護の弁護士であるRidwan Oloyede氏と話し合ったところによると、これはインターネット検閲やヘイトスピーチ法で解決すべき問題ではないという。

COVID-19のマント

アフリカでのCOVID-19パンデミックの蔓延は、あまり良いとは言えない医療施設・設備に大きな負担をかけている。しかし、様々な技術を用いることで、感染者を追跡するプロセスの大幅な簡易化が図れる。

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最も一般的な方法の一つは、接触型の追跡で、追跡者が患者に綿密な聞き取り調査を行い、他に誰が感染者によってウイルスにさらされた可能性があるかを推理するプロセスだ。

通信技術においても、感染が確認された人の携帯電話の位置情報の履歴データを活用することで、感染の拡大をより早く抑えることができる。

すべての携帯電話ユーザーの位置情報を一つの検索可能なデータベースにまとめることで、感染者の位置情報履歴と照合することができる。

この方法は、他の方法と組み合わされ、世界のいくつかの国で成功を収めている。韓国ではロックダウンに頼らずに、クレジットカードの取引記録、CCTVの映像、携帯電話の位置情報を組み合わせて、ウイルスの追跡と拡散の抑制に活用していると報告されている

アフリカでは、ルワンダ南アフリカケニアなどの国が携帯電話の位置情報を利用して接触者を追跡する方法を採用している。

南アフリカの携帯電話位置情報の利用に関する指令は当初曖昧だったため、どのような情報を利用するのか、どのくらいの期間利用するのか、パンデミック後も継続するのかなどを示すため、修正を余儀なくされた。

これは一見、素晴らしい取り組みのようだが、ここから明らかになるのは、政府が国民の情報や位置情報にアクセスできるようになり、その過程で多くのプライバシー問題が発生するということだ。

ほとんどの法律では、緊急時の厳しい措置が認められているが、Paradigm InitiativeやPrivacy Internationalのような団体からは、そのような措置の実施についてこれまでのところ、懐疑的な意見が出ている。これは、他の監視や検閲の事例が何かポジティブなものの裏に隠されているという事実に関連しているかもしれない。

アフリカ諸国におけるロックダウン以降の出来事に基づけば、これらの懸念にメリットがないわけではない。

ニジェール共和国では、ツイッターやフェイスブックでニュースを発信しているジャーナリストのKaka Touda Mamane Goni氏が、COVID-19の患者に関する情報を公開したとして当局に逮捕された

すでに携帯電話の追跡を採用しているケニアでは、COVID-19患者の行方についてTwitterで誤解を招く情報を拡散したとして、Elijah Muthui Kitonyoが逮捕された

DCI KENYA on Twitter

携帯電話の追跡を採用しているもう一つの国である南アフリカは、COVID-19に関する誤情報の拡散を犯罪として扱う法律を導入しており、罰金に加えて、6ヶ月の実刑判決になる可能性がある。

緊急技術対策はCOVID-19への取り組みに大いに役立つかもしれないが、大陸はパンデミックの間もそしてその後も、人権とデジタルの権利を真剣に考慮する必要がある。

翻訳元:With the pandemic, African governments have an excuse to censor the Internet

記事パートナー
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執筆者
武田彩花 / Ayaka Takeda
Contents Writer
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